安井音次郎さんと美代子さんご夫妻は、かつて東京・向島で暮らしていました。
戦時中、東京大空襲に見舞われましたが、何とか逃げ延び命をつないだのでした。

お二人は長女・正子さん、長男・不二夫さん、次女・愛子さん達、多くのお子さんに恵まれました。
正子さんと不二夫さんは三味線やお琴といった伝統音楽の世界に携わり、それぞれの道を歩まれました。
一方で、家族の一員だった安井一茂さんが若くしてこの世を去るなど、悲しい出来事もありました。

音次郎さんは穏やかで孫思いな方で、よくお菓子を買ってきては孫たちを喜ばせてくれました。
美代子さんは交通事故により、突然の別れを迎えることとなりました。

次女の愛子さんは、佐藤秀ニさんとご結婚され、世田谷で家庭を築きました。愛子さんはとても優しくて働き者、洋服を手作りするなど、手先の器用な女性でした。
愛子さんは後に難病を患いましたが、長い闘病生活を必至に生き抜きました。

愛子さんの願いにより、亡くなった後は八柱霊園にある安井家のお墓に、大切な家族とともに眠ることとなりました。

ご主人の秀ニさんはプラスチック工場を営みながら家族を支え、家庭では思いやりにあふれた父親として、常に家族の中心にいるような存在でした。

現在はお二人の娘である中根美代さんが、親族の皆さんと共に代々のお墓を大切に守り続けています。家族の絆は時を越えて今も静かに、そして温かく息づいています。