承継
思いで

ムツゴロウ動物王国

  • 「ムツゴロウ動物王国」は原則非公開だったため、北海道で培ったノウハウを生かし、「都会の人々に動物にふれあってもらう」というコンセプトで、2004年7月28日東京都あきる野市東京サマーランド内の約9万m2の敷地に観光施設としての「東京ムツゴロウ動物王国」を開園。北海道には一部のスタッフや動物が残留するのみとなった。
  • 東京ムツゴロウ動物王国は集客が伸びず、2006年10月14日、「ムツゴロウ動物王国」の運営会社だったグローカル21が破綻し、負債総額8億円に上ることが明らかとなった。その後運営主体を畑正憲のプロダクション「ムツプロ」に暫定的に移すも、2007年10月17日、東京都あきる野市の「東京ムツゴロウ動物王国」が2007年11月25日で閉園、活動発祥の地である北海道へ戻ることが発表された。
  • 東京ムツゴロウ動物王国の運営資金を個人保証で借り入れていた関係から、個人としても約3億円の借金を背負ったが、執筆・講演活動などの収入で約8年間かけて借金を完済した。

生涯

  •  1935年に福岡市で生まれ、旧満州で幼少期を過ごした。54年に東京大学に入学し、理学部生物学科で学んだ。大学院を経て学習研究社に入り、動物の記録映画の製作に取り組んだ。
  •  68年に退社すると、作家活動を本格化させ、「われら動物みな兄弟」で同年の日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。
  •  71年に北海道浜中町の無人島・嶮暮帰(けんぼっき)島に家族で移り住み、翌年には「ムツゴロウ動物王国」を対岸に開いた。「ムツゴロウの青春記」「ムツゴロウの動物交際術」など多くの著書をあらわし、77年には菊池寛賞を受けた。
  •  80年にフジテレビ系列で「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」の放映がスタート。畑さんと動物たちとのふれあいが人気を博し、20年以上続く長寿番組となった。86年に公開され、大ヒットした映画「子猫物語」では監督を務めた。
  •  2020年からはユーチューブにチャンネルを開設し、自身の半生や動物との思い出話を発信していた。
  •  11年の朝日新聞記事では、最近の子どもたちに思うこととして「命あるものとの交流が減っている」と指摘。「学校でカエルの解剖さえしなくなっている。『命を殺すから』というんですが、それは科学でもなんでもありません。生きていくにあたり、生き物に体ごとぶつかるというのはとても大切なことです」と語っていた。