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最近では、有名人が亡った後に所属事務所などがインターネット上に「追悼サイト」を立ち上げるケースが多くなっています。欧米では、2009年に亡ったアップル創業者のスティーブジョブズさん、国内でも野球の野村監督(3月に追悼サイト閉鎖)、俳優の三浦春馬さん、最近では料理家の高木ゑみさんなどがあります
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シニアが自分らしく暮らせる社会を「デジタル化」でサポート

もともと海外では、多くの方々が供養をできるため有名人・著名人の「思い出の場所」をウェブサイトに作成しオンラインメモリアルサイトとして活用されていますので詳細をここで紹介します。
 

交友関係の広い方の葬儀やお悔み会などの案内は、個別での対応が難しいことから、従来は新聞の「お悔み記事」や「死亡広告」を利用していましした。しかし、近年のインターネットやソーシャルメディアの普及で、文字数や写真数などに制限されず、お悔みメッセージを投稿できる参加型「お悔みサイト(追悼サイト)」が活用されています。

お悔み記事と追悼サイトの違い

 

「お悔み記事」は新聞・新聞社のウェブサイトに掲載され、記者によって書かれた故人のプロフィールと人生の客観的な要約です。一方、「追悼サイト」は故人を偲ぶため参加型で、遺族等のサイト管理者と、その関係者の主観的で賛辞になる傾向があります。有名人や著名人の追悼サイトは、所属する(肖像権などを有する)マネージメント会社、帰属した会社、ファンクラグ、同志などが独自にウェブサイトを立上げますが、最近は一般の方も、追悼サイトを作成することが多く、この場合は遺族によって作成されるか、遺族から提供された情報をもとにサイト作成会社が作成します。

追悼サイトの特長

  • 多くの方がアクセス可能新聞発行日だけでなくいつでもスマホなどから閲覧できる
  • 安い費用:新聞掲載料が不要で、インターネット上に長期間掲載できる(追悼サイトは無料から作成可能)
  • 自由な内容:文字数や写真枠などに制限されることなく掲載できる
  • お悔みの共有が可能:お悔みメッセージの投稿などで参加型の追悼が可能となる。また、ソーシャルメディアなどで友人やファンとメッセージや写真を共有することができる
  • 保存が出来る:デジタル化した写真・ビデオ・故人メッセージを簡単にアップロードして保存できる

以上のことからも「追悼サイト」は、新聞社などの お悔み記事のデジタル化” ではなく、故人のお悔みの場です。

そのため、デジタル化した遺影、写真アルバム、動画、人生史などインターネット上の個人(故人)サイトを作成して閲覧可能にしています。加えて、お悔みの場としてお悔みメッセージ(弔辞に近い)や写真を、LINE、フェイスブック、電子メールなどで共有出来る参加型の機能が用意されています。

【追悼サイト】の作成方法

故人の追悼サイトの作成には大きく2つの方法があります。これは一般的なウェブサイトの作成と同じく、1)専門業者に依頼(HTML、CSS、画像加工、文章作成)と、2)自分でウェブサイト作成ツールを使用して作成するタイプです。

専門業者を使う

ホームページ制作会社に委託するため数十万円以上の制作費用と管理費(ドメイン・サーバーなど)がかかります。ただし、デザインや内容などを制作側の意図に合わせて作成することができます。有名人が亡くなった場合は、所属していた事務所がファン用に立ち上げる場合はこのパターンです。

専門業者のメリット

  • 自分(会社)の自由なサイトデザインで作成できる
  • ファンなどから寄せられたメッセージを自由に活用、管理できる
  • サイトを使い他の記念放送、行事などを自由に紹介できる
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専門業者のデメリット

  • サイト作成、維持に費用がかかる(アクセスが多い場合は、システムがダウンしないようにインフラの強化費用が必要)
  • サイトのメンテナンス・アップデート(写真・ビデオなど)に追加費用が掛かる(例:ファンなどのメッセージやスパムなどの対応など)
  • 所属するマネージメント会社が維持費用を負担しているため比較的短い期間でサイトが閉じる可能性がある(野村監督の追悼サイトは2020年2月に開設され、2021年3月に残念ながら閉鎖されました)

サイト作成ツールを使う

追悼サイト作成する“専門ツール” (例: 追悼.comなど) を使います。サイト制作費用は自作の場合はほとんどが無料です。また、作成を外部委託することも可能です。サイト作成ツールを使用する場合は、デザインなどの自由度が限定されますが、ソーシャルメディア(LINEやフェイスブック)、電子メールでの共有、一般閲覧を制限するセキュリティ設定など、ビジネス化されているため多機能化が進んでいます。

※有名人ではマイケルジャクソン(英語・日本語)のファンクラブ や、海外では議員・著名人、企業人(みずほ銀行米国支店など)の幅広い層で活用が広がっています。

サイト作成ツールのメリット

  • サイト作成が簡単で安価。サイト維持に費用がかからない(大量アクセス対応システム導入済み)
  • 永代供養碑として長期間サイトを存続させることが可能(永代版で4万円程度、現時点で日米13年間継続)
  • メッセージだけでなく写真なども投稿共有できる。また必要に応じて認めたメンバーだけに閲覧を限定してプライバシーを守ることができる

 

サイト作成ツールのデメリット

  • ウェブサイトのデザイン自由度が制限される
  • ファンとの交流参加型のため、管理者により不適切なコメントを削除することはできるが、選択表示はできない(広告表示などは不可)
  • 特別なウェブサイトではないため、有名人であっても一般と同じで差別化が難しい

まとめ

有名人・著名人の追悼サイトは近年多くの方々に活用されています。もともとファンや関係者の弔いの場を提供する手段として、ウェブサイト機能が新聞などの紙媒体より多くの方々にお悔みの場を提供できるという趣旨に合っているからです。デジタル化された写真・ビデオ・メッセージなどのデータが多い人であってもアップロード機能で簡単に掲載できることもメリットです。ただし、ファンや関係者がスマホやSNSなどが不得手な高齢者などである場合には適さないのがデメリットです。

なお、近年では、この追悼サイトを有名人だけでなく、一般の方々(個人)が下記の理由で活用されています。

  • デジタル情報の保存ができる

 

  故人の思い出(写真アルバム、おもいでノート、人生史など)は、事情によってはその取り扱いに困り、そのまま放置されるか処分されることもありました。しかし、この追悼サイトで保存・管理できることによりスマホなどで先祖や故人を想い起こすことができます。

 

  • どこでも供養ができる

 

コロナ禍の影響で法要に参加できなかった方には、身近な場所で供養をしたいという要望が増えています。その際に、先祖・故人のデジタル化した思い出や過去のお墓参りの写真を見ながら、お参りの言葉をスマホで伝え(メッセージ投稿)たりします。

 

  • 迷惑をかけない準備ができる

 

終活の一つとして生前に自分で遺影やその他の写真、ビデオ、人生史などを選びご家族に残すことができます。これは、残された方が、あわあだしく葬儀の準備をする中で多くの写真から遺影写真を選ぶようなことがなく、負担が軽減されます。また、介護時などにご家族と会話をしながら準備を進めると、後世への素晴らしい思い出の遺産になるとともに、思い出を振り返る行為がリハビリにもなります。

 

  • 費用の低減ができる


  追悼サイトは、ネット墓として永代に使うことができます。このことは、お墓を持つという行為に選択肢を与えます。【ネット墓】は無料版から始めることができ、墓守・管理者が不要のため、樹木葬(約20万円~)納骨堂(約30万円~)合葬・合祀墓(約10万円~)などのお墓と一緒に選ばれる例も多くなっています。

追悼サイトがスティーブジョブズさんや三浦春馬さんのような有名人・著名人のためと考えられた時代から、今では、誰もがデジタル化された故人の追悼の場を持てるようになりました。つまり、多様化する供養方法に、デジタル情報を保存できる「追悼サイト」も加わったと言えるでしょう。