承継
軌跡

生い立ち

富山県高岡市定塚町出身。富山県立高岡工芸高等学校電気科卒。

おとなしく、真面目で、体も弱い子供で、小学校では激しいいじめに遭っていた。ある日、組長のような性格の少年に出会い、彼の似顔絵を鑑定してもらい、「お前は画家になる」と断言される。その後、藤本は安孫子素雄と出会い、二人で「天使の玉ちゃん」を新聞社に投稿する。藤子不二雄」のペンネームでプロの漫画家として、主に子ども向けの漫画を書き続けたが、時にはSFなど大人向けの作品も手掛けた。子供たちの夢や願望を、気が遠くなるほどよく描けている」と、その手腕は高く評価された。

趣味・人柄

  • ベジタリアン(卵と乳製品は食べる卵乳菜食)であるが、思想上の理由ではなく、実家が寺院で幼少の頃は精進料理ばかり食べていたため、習慣上の問題として肉や魚を体が受け付けなくなっていることが原因だという。
  • 船、船旅を好み、「クイーンエリザベス2世号」の乗船経験もある。
  • スポーツはゴルフを非常に好んでおり、晩年も頻繁にプレイしていた。ゴルフへの愛情は『プロゴルファー猿』によく表れている。
  • 大の犬好きで、作中にもよく犬が出て来る。また、かつて飼っていた秋田犬の名を「Q太郎」と名づけたこともある。『タカモリが走る』という、犬が主人公の作品も執筆した。
    「尊敬する漫画家は?」と質問される場合、必ず「手塚先生と藤本君です」と答えている。特に元相棒の藤子・F・不二雄に対する想いは誰よりも強いようで、ことあるごとに「藤本君は天才だ」「彼がいなければ僕は漫画家にはならなかったと思う」と力説している。
  • 「尊敬する漫画家は?」と質問される場合、必ず「手塚先生と藤本君です」と答えている。特に元相棒の藤子・F・不二雄に対する想いは誰よりも強いようで、ことあるごとに「藤本君は天才だ」「彼がいなければ僕は漫画家にはならなかったと思う」と力説している。

漫画について

「人並の人生経験に乏しい人は物書きには向いていない」だとか言われますが、私の持っている漫画観は全く逆です。人はゼロからストーリーを作ろうとする時に「思い出の冷蔵庫」を開けてしまう。自分が人生で経験して、「冷蔵保存」しているものを漫画として消化しようとするのです。それを由(よし)とする人もいますが、私はそれを創造行為の終着駅だと考えています。
(中略)
思い出を引っ張り出して出来上がった料理は大抵がありふれた学校生活を舞台にした料理です。しかし、退屈で鬱積した人生を送ってきた漫画家は違う。人生経験自体が希薄で記憶を掘り出してもネタが無い。思い出の冷蔵庫に何も入ってない。必然的に他所から食材を仕入れてくる羽目になる。 漫画制作でいうなら「資料収集/取材」ですね。全てはそこから始まる。その気になればロブスターどころじゃなく、世界各国を回って食材を仕入れる事も出来る。つまり、漫画を体験ではなく緻密な取材に基づいて描こうとする。ここから可能性は無限に広がるのです。私はそういう人が描いた漫画を支持したい。卒なくこなす「人間優等生」よりも、殻に閉じこもってる落ちこぼれの漫画を読みたい。
....藤子不二雄